大腸内視鏡検査(カメラ)について
大腸内視鏡検査とは
内視鏡で大腸の中を観察し、大腸の炎症やポリープなどを診断する検査です。
この検査で正確な診断を行うためには、大腸内をきれいにしておくこと(前処置)が大切です。
大腸がきれいになっていないと検査に時間がかかったり、検査が受けられない場合があります。指示通りに前日の食事・服薬を行い、検査に備えて下さい。
大腸内視鏡検査はどんな人が受ける?
1. 以下の症状がある方
・便通異常(便秘・下痢・便が細くなったなど)
・血便
・慢性の腹痛
これらの症状は病気のサインである事が多く、直接粘膜の状態を見ることで、症状の原因を探り、病気に合わせた治療を行うことができます。
2. 大腸がんのリスクのある方
大腸がんは、がん死亡率で男女ともに上位にくる疾患ですが、早期発見することで、ほぼ完治することが可能になってきました。また、大腸がんはポリープが大きくなりがんになるケースが多いため、ポリープを切除することで将来的ながんの予防につながります。症状はなくても、がんの早期発見・予防のため、定期的に検査を受けることが大切です。
検査に必要な「前処置」
大腸の中をしっかりと見るためには、「前処置」と言って腸管洗浄剤(下剤)を使って大腸をきれいにする必要があります。前処置を行わずにカメラを入れても、便が邪魔をして詳細な観察をすることが難しくなります。
前処置:検査の2~3日前
野菜、キノコ類、豆類、海藻など食物繊維を含むものや、小さな種のある果物は出来るだけ避けて下さい。
前処置:検査前日
朝食
朝食は自由にお取りください。但し食物繊維が豊富な野菜、キノコ類、豆類は出来るだけ避けるようにしてください。また食べ過ぎにご注意ください。
昼食
昼食と夕食は、検査食になります。
検査食の昼食メニュー「肉じゃが」「鮭がゆ」を召し上がって下さい。
<召し上がり方>
・袋の封を切らずに、そのまま沸騰したお湯の中で約3~5分間温めてお召し上がり下さい。
・電子レンジで温める場合は必ず中身を容器に移し、ラップをかけて温めて下さい。
<注意事項>
・検査食以外は食べないで下さい。
・水分は十分に摂ってください。(水、お茶、スポーツドリンク、果汁・果肉の入っていない清涼飲料水は摂取可能です。なお、アルコール類は禁止です。)
夕食
検査食の夕食メニュー「チキンクリームシチュー」「クラッカー」を召し上がってください。
<召し上がり方>
・チキンクリームシチューは昼食同様、沸騰したお湯の中で5分温めて召し上がって下さい。
・電子レンジで温める場合は必ず中身を容器に移し、ラップをかけて温めて下さい。
<注意事項>
・夕食は遅くとも午後8時までにはお召し上がり下さい。
・水分は十分に摂ってください。(水、お茶、スポーツドリンク、果汁・果肉の入っていない清涼飲料水は摂取可能です。なお、アルコール類は禁止です。)
就寝前
就寝前に100㎖の水に下剤(ピコスルファート)1本を入れて飲みます。
前処置:検査当日
朝食
午前6時頃、経口腸管洗浄剤(マグコロール散)を飲みます。水で白い粉末を溶かし、計1800㎖をゆっくりと1時間~1時間半で飲み切ってください。
30分~1時間程で排便があり、その後数回(5~8回)液状の排便があります。
固型 → 泥状便 → 水様便(黄色)
薄い黄色の液が出るようになったら検査可能です。検査時間前にスッキリ排便が無くても来院してください。
<注意事項>
・朝食は絶対にとらないで下さい。
・内服薬、喫煙は避けて下さい。
・現在、服用している内服薬がありましたら、事前に申し出て下さい。
・服用中に、腹痛、吐き気、嘔吐、蕁麻疹、気分不快などの異常があった場合は、飲むのを中止して病院に連絡して下さい。
検査の流れ
01 着替え
検査着に着替えていただきます。
02 点滴・鎮静剤
検査用ベッドに横になって頂き、点滴しながら鎮静剤(静脈麻酔)を行います。鎮静剤を使用すると「苦痛を取り除いてボーっとして画面を見ながらの状態」で検査を受けることが出来ます。2~3分して鎮静剤が効いてきましたら、検査を開始します。
※ご希望のない方は、鎮静剤なしでも検査は可能です。
当院では大腸カメラの検査自体、痛みの出にくい挿入法で行いますので、鎮静剤を使わない場合もあまり苦痛なく検査をお受け頂けます。
03 大腸内視鏡検査
検査時間は15~20分前後です。
04 検査終了
検査後は別のベッドに移動し、30~60分程度安静にして頂きます。(※時間には個人差があります。)
06 診察
鎮静剤が切れたら、医師から検査結果をご説明致します。
動画で分かる「大腸内視鏡検査の受け方」
大腸内視鏡検査の受け方について、動画で分かりやすく説明しています。
検査後について
・医師が必要と判断した場合は感染・出血予防のために検査後1~3日点滴させていただく場合があります。
・ポリープ切除した方は出血しやすい状態です。出血が続く場合は、当院まで連絡ください。
<注意事項>
・アルコールは1週間禁止です。
・鎮静剤使用時は、自動車・バイク・自転車などの運転は絶対にしないでください。
・入浴は汗を流す程度にして長風呂はしないでください。
・お腹に負担がかかるようなことウォーキング・ジョギング・ダンス・重労働(重いものを運ぶ)はしないでください。