1971年開設の病院です。地域に密着した医療を提供できるよう心がけています。

トップページ > お知らせ > 麻しん(はしか)について
投稿日:2018.07.01

麻しん(はしか)について

  • お知らせ

1)麻しん(はしか)は、世界で流行している感染症です。
県内では昨年(H29年)4月、インドから帰国した金沢市内の30代男性が麻しんを発症。男性が出席した小学校入学式にいた教員2人と、男性が立ち寄った写真店に勤める小松市内の10代女性も発症し、計4人の罹患が明らかになりました。
本年も沖縄県で流行中の麻しんは、愛知県にも感染が広がり、患者報告数がじわじわと増えて両県合わせて100人を超えました。沖縄の流行は台湾からの旅行客が発端で、外国から持ち込まれたウイルスをきっかけに流行する事例は「輸入感染」と呼ばれ、毎年のように発生しています。背景にはウイルスの持つ強い感染力に加え、免疫の弱い大人が少なくないという問題があります。
※H30年8月時点で、ヨーロッパで麻しんが流行しています。また首都圏では風疹が流行の兆しを見せています。
速報 9月8日韓国で2015年以来の中東呼吸器症候群(MERS)患者が発生しました。
FORTH(厚生労働省検疫所) ホームページはこちら

2)麻しん(はしか)ってどんな病気?
麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。感染経路は、空気感染飛沫感染接触感染で、園感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。潜伏期間は10〜12日でその後、発熱や咳・鼻水等の症状(カタル症状)が現れます。これが数日続いた後、口腔内に麻しんに特徴的な白い粘膜疹(コプリック斑)が現れます。コプリック斑が出ると、一旦熱が下がったように思いますが、すぐに39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎・中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎を発症します。

3)麻しん予防にはワクチンが有効です。
麻しんは感染力が強く空気感染もするので、手洗い・マスクのみでは予防できません。
麻しんに効果的な予防方法は、麻しんワクチンの接種です。(これのみと言っても過言ではない)
麻しん含有ワクチン(主に接種されているのは、MR(麻しん風疹混合)ワクチン)を接種することによって、95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。また、2回の予防接種を受けることで免疫が増強され、1回の接種では免疫がつかなかった5%未満の人に免疫をつけることができます。幼児期の定期接種は接種券が届いたらできる限り早く接種して下さい。
《定期接種の対象》 第1期:1歳〜2歳の誕生日の前日   第2期:小学校就学前の1年間
第1期と第2期は、予防接種法に基づく定期予防接種を受けることができます。対象年齢に該当するお子さんは、できるだけ早く予防接種を受けましょう。詳しくは自治体にお問い合わせ下さい。
小松市の場合はこちら
麻しんの罹患歴・ワクチンの2回接種が確認できない場合には、麻しんワクチンの接種を行って下さい。任意接種(費用は自己負担)で受けることができます。麻しんの罹患歴が無い・ワクチンを接種したかどうかわからない場合は、かかりつけの医療機関にご相談下さい。
森田病院の予防接種についてはこちら

日本は国際的には「ワクチン後進国」と呼ばれています。

 
医療法人社団さくら会森田病院
   内科医師  西 願 司(さいがん つかさ)
 
外来
担当医表