突然ですが、人間の体っていくつの細胞からできているかご存知ですか?
37兆個とも60兆個とも言われていますが、どちらにしてもすごい数字ですよね。その細胞、毎日少しずつ壊れて新しく作り替えられています。その材料は毎日食べている私たちの食事です。
『私たちの体は食べた物でできている・・・』当たり前のことですが、あまり意識せず食べてしまいがちなのは私だけでしょうか?日々の健康を維持するためにはもちろんのこと、将来元気で長生きな体を作るためにも、毎日の食事に気を配ることは大切なことです。
 食事の内容に気を付けることも大事ですが、最近食べている人も増えている『ベジタブルファースト』という言葉を聞いたことはありませんか?食事の初めに野菜をゆっくりと食べることで血糖値が上がりにくくなり、野菜で少し満腹感が出ることで食べ過ぎを防ぎ、成人病予防やダイエットに効果があると言われています。食事のバランスやカロリーだけでなく食べ方の工夫も大切ですね。
 しかし、高齢者はただでさえ食が細くなっており体に良いからといってベジタブルファーストをしてしまうと、おなかがいっぱいになってしまって十分なタンパク質を摂ることができなくなる恐れがあります。高齢者のタンパク質不足は、筋肉量の減少を引き起こし筋力低下や日常生活動作の低下につながります。最近テレビでもよく見かける『ロコモティブシンドローム』『サルコペニア』といった状態です。寝たきりにならないためにも高齢者ほどタンパク質を意識して摂ることが必要です。
 タンパク質には動物性と植物性があります。動物性は肉・魚・卵など、植物性は大豆製品(豆腐・納豆など)です。動物性タンパク質を摂取すると同時に動物性脂肪も摂取してしまうことになり、摂り過ぎは動脈硬化につながる可能性があるため注意が必要です。動物性と植物性は半分半分ぐらいが良いですね。ご飯に野菜たっぷりの具沢山のお味噌汁、それに納豆か卵焼き、鮭の塩焼きなどが加われば良さそうですね。そんなに食べられないという方は、お味噌汁の中に野菜だけでなく肉団子や魚を加えて、ご飯とお味噌汁だけでも良いでしょう。食べ方は初めにご飯を食べずお味噌汁から食べて下さいね。すぐにおなかがいっぱいになってしまう方は、ベジタブルファーストではなく『プロテイン(タンパク質)ファースト』でも良いかもしれません。しっかりタンパク質を摂取し毎日なるべく足を使って(歩いたり、立ったり座ったり、足踏みするだけでも良いですよ)元気で長生きして下さい!!

 
医療法人社団さくら会森田病院
    内科医  北 村 智 子